エナジードリンクは精力剤の代替効果アリ?その成分から徹底検証

エナジードリンクは精力剤の代替効果アリ?その成分から徹底検証

昭和の時代、疲労回復・滋養強壮をうたい文句に、モーレツサラリーマンの味方・栄養ドリンクが一大ブームを巻き起こしました。

時代は下って令和の今、サラリーマンに限らず世の男性を勇気づけているのがエナジードリンクです。

 

レッドブルの「翼を授ける」、モンスターエナジーの「野生を解き放て」、いずれも精力剤としての効果を期待させるキャッチコピーですよね。

飲むと元気になる=精力増強になる?そんなイメージを抱かせるエナジードリンクですが、本当のところはどうなんでしょうか。

 

果たしてエナジードリンクでムスコも元気になるのか?エナジードリンクに含まれている成分から、精力剤としてのパフォーマンスを徹底検証します。

 

エナジードリンクがつくられた目的とは?

目次

エナジードリンクのエナジーとはいうまでもなくエネルギーのことですが、呼び方ひとつで印象は大きくかわります。

エネルギーというと動力源や燃料を思い浮かべ、エナジーというと活力や精力のイメージがわくから不思議ですね。

エナジードリンクの元祖「レッドブル」は1970年代終わりのタイが発祥の地です。

 

当時タイではリポビタンDが大ブレイク中で、リポD より低価格な商品として「グラティン・デーン」というタイオリジナルの栄養ドリンクが発売されました。

この「グラティン・デーン」に目をつけたのがオーストリア人のビジネスマンで、彼は欧米で栄養ドリンクのビジネスを展開しようともくろんでいました。

 

そこで、グラティン・デーンの販売権を獲得、独自の改良を加えて「レッドブル」として販売を始めたのです。

グラティン・デーンとは「赤い野牛」の意味で、レッドブルの商品名と二頭の雄牛が角を突き合わせるおなじみのロゴは、グラティン・デーンから継承されたものです。

そして、改良にあたってレッドブルがお手本にしたのは、すでに日本のみならず東南アジアを席巻していたリポビタンDでした。

 

つまり、最初のエナジードリンクが目指したものは栄養ドリンクの代名詞ともいえるリポビタンDであり、成分や効果も栄養ドリンクを目指したものだったのです。

ただひとつ違うのは、レッドブルが炭酸飲料だったということで、いうなれば成分や効果はリポビタンDを、テイストはオロナミンCを目指した、ともいえます。

 

エナジードリンクと栄養ドリンクの違い

もともとリポビタンDを参考に開発された商品である海外版レッドブルの主な配合成分は、タウリン1000mg、グルクロノラクトン600mg、カフェイン80mg、あとはイノシトールとナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12です。

グルクロノラクトンとはリポビタンが発売された当初からの永遠のライバル・グロンサンの主成分であり、肝機能を改善する医薬品です。

 

リポビタンもグロンサンも、医薬品として発売されましたが、その後の薬事法改正で医薬部外品に変更されました。

リポビタンのタウリン、グロンサンのグルクロノラクトン、どちらも肝機能の改善により疲労を回復させることを目的としています。

リポビタンもグロンサンも、アンプルに入ったビタミンドリンク剤として販売されていましたが、当時は大塚製薬も同じアンプル入りの「グルクロン酸ビタミン内服液」を販売しており、薬局で手軽に飲めるビタミン剤として似たような商品同士がしのぎを削っていました。

 

そんな中で、アンプル入りビタミン液の競争から先んじて抜け出したのが、1962年に発売されたリポビタンDです。

それまでのアンプル剤よりもはるかに量が多く、味も良いリポビタンDはまたたく間にブレイク、他のアンプル剤は後塵を拝することになります。

そこで、なんとかリポDに追いつこうと、ドリンク剤に炭酸を入れて飲み味に刺激とさわやかさを与えるというアイデアを基に誕生したのが、大塚製薬のオロナミンCです。

しかし、当時の厚生省は炭酸飲料を医薬品とは認めなかったため、やむをえずオロナミンCは清涼飲料水として発売されることになりました。

 

医薬品という看板を外すことになったオロナミンCですが、薬局で売ることができなくなった代わりに、食品店はもちろん、駅や病院の売店、当時急速に増え始めたボーリング場から銭湯まで、販路は大きく拡がり、またたく間にリポビタンDと人気を二分する商品へと成長しました。

一方、海外では日本のような配合成分の制限はありませんので、最初からリポビタンDやグロンサンと同じ成分を使用しつつ、炭酸飲料として販売することが可能だったわけです。

 

こうして、栄養ドリンクの主成分であるタウリンやグルクロノラクトンを配合しつつ、オロナミンC風の炭酸飲料に仕上げた世界初のエナジードリンク「レッドブル」が産声を上げることになります。

 

国産のエナジードリンクと海外産のエナジードリンクの違い

欧米をはじめ世界市場で成功を収めると、レッドブルはいよいよ栄養ドリンクの本場である日本市場への上陸をもくろみます。

しかし、レッドブルが日本上陸を果たすためには薬事法というとてつもなく高い壁を乗り越えねばなりません。

炭酸をやめるか、タウリンをやめるか?しかし、炭酸をやめればもはやレッドブルではなく、単なるリポビタンDのコピー商品に成り下がってしまいます。

タウリンやグルクロノラクトンなどの医薬品成分を使わず、さらにレッドブルのテイストを残したまま、エナジードリンクとして勝負するにはどうすればよいか?その答えがアルギニンによるタウリンの代替でした。

 

しかし、レッドブルがやむなくアルギニンを採用したおかげで、本来の「栄養ドリンク」とは異なる「エナジードリンク」が誕生したといっても過言ではないでしょう。

その後、日本に続々と上陸を果たした海外のエナジードリンク勢も、日本で製品化された国産エナジードリンクも、ほとんどがアルギニンを採用していることがそれを証明しています。

 

エナジードリンクの成分が持つ効果とは?

エナジードリンクはリポビタンDなどの「医薬品成分を配合した医薬部外品」と違い、効果効能をうたうことはできません。

商品分類はあくまでも清涼飲料水であり、CMなどでも一貫してイメージ戦略がとられています。

「翼を授ける」、「ココロ、カラダ、みなぎる」「野生を解き放て」など精力をイメージするキャッチコピーが多いのがエナジードリンクの特長ですが、それはなぜでしょうか。

 

その理由は、タウリンの代替品としてやむなく使用されたアルギニンによる作用と、ドリンク剤に欠かせないカフェインの持つ「ある効果」が存在するためなのです。

 

アルギニン

アルギニンはたんぱく質に含まれるアミノ酸ですが、体内でも合成できるため必須アミノ酸には分類されません。

肉や魚などのたんぱく質から摂取できますが、さまざまな生理作用に必要とされるため、体内では不足しがちなアミノ酸です。

アルギニンの主な機能は、体内で発生する毒性の強いアンモニアの分解、成長ホルモンの分泌促進、免疫機能の向上、疲労回復と運動機能の向上などです。

 

しかし、アルギニンが持つ最大の機能性は血管の拡張で、これがエナジードリンクとして最も期待の大きい作用でもあります。

私たちのからだじゅうに張りめぐらされた動脈血管は、周囲を平滑筋という筋肉で覆われており、平滑筋が収縮すると血管は狭まり、弛緩すると血管は拡張します。

 

アルギニンは血管の内皮組織で酵素によって一酸化窒素(NO)に変換され、NOは細胞内のシグナル伝達物質(セカンドメッセンジャー)を活性化させます。

平滑筋のなかに拡散されたセカンドメッセンジャーは平滑筋を弛緩させて血管を拡張します。

 

これが心血管でおこれば狭心症や心筋梗塞の発作を収束させる効果があり、ペニスで作用すれば海綿体を拡張して血流を増加させ、勃起を起こす原動力となります。

エナジードリンクが日本に上陸するとき、タウリンやグルクロノラクトンが使用できず苦肉の策として採用されたアルギニンですが、結果的には医薬品成分よりもエナジードリンクにふさわしい成分だったといえるでしょう。

 

カフェイン


コーヒーを飲みすぎると眠れなくなる経験をしたことのある方は多いと思いますが、いうまでもなくカフェインは神経を興奮させる覚醒作用を持っています。

そのため、ほとんどの栄養ドリンクにも含まれており、「飲むとハイになる=元気になる」ために最も有効な成分といえます。

カフェインはエナジードリンクにおいても覚醒作用=元気になる効果を期待して配合されているものと思われます。

 

しかし、カフェインには多くの人が知ることのないもうひとつの作用があるのです。

アルギニンは血管内皮細胞でNOとなってセカンドメッセンジャーを活性化し、セカンドメッセンジャーによって平滑筋が弛緩して血管の拡張が起こる、と説明しましたが、セカンドメッセンジャーが増えることによって、逆にセカンドメッセンジャーを分解する酵素も分泌され始めます。

ペニスに限っていえば、セカンドメッセンジャーが頑張り続けていると、いつまでも勃起が収まらず、逆に血管や組織を傷つけてしまう恐れがあり、射精後はすみやかに勃起を収束させなければなりません。

そのためにセカンドメッセンジャーを分解する酵素が必要なのです。

このPDEという分解酵素にはいくつかの種類があり、心血管で働くのはPDE3、ペニスに存在して勃起を収めるのはPDE5という酵素です。

バイアグラなどのED治療薬はPDE5の作用を弱めることからPDE5阻害薬と呼ばれていますが、実はカフェインにはPDE阻害薬と同様の作用があるのです。

 

ただし、バイアグラのようにPDE5だけに働くわけでなくPDE全般に対して作用します。

PDE5に対しては、アメリカのテキサス大学健康科学センターが行った研究によれば、毎日85~175mgのカフェインを摂取する男性は、まったく摂取しない人に比べてEDのリスクが42%低い、と報告しています。

 

コーヒー1杯に含まれるカフェインは60~90mgといわれていますので、1日に2杯程度の摂取でEDのリスクは劇的に下がると考えられます。

エナジードリンクに含まれるカフェインは80mgから多いもので190mg程度ですので、研究の通りならEDのリスクはかなり軽減されることでしょう。

 

商品別成分量比較

エナジードリンクの商品別にアルギニンとカフェインがどの程度含まれるか調べてみたところ、商品によってかなり差が大きいことがわかりました。

商品名 内容量 税込価格 1本あたりのアルギニン量 1本あたりのカフェイン量
レッドブル 250ml 約280円 120mg 80mg
モンスターエナジー 355ml 約200円 444mg 142mg

人気の2強対決ではモンスターエナジーに軍配が上がるようですが、カフェインが苦手な方や、味の好みからレッドブルを選ぶ方も多いことでしょう。

 

2020年6月発売の新製品サントリーZONeは500mlで約200円、アルギニン750mg、カフェイン75mgとアルギニンがかなり強化されています。

圧倒的なブランド力を持つ2強に対し、コスパという点であなどれないのが量販店のプライベートブランド製品です。

商品名 内容量 税込価格 1本あたりのアルギニン量 1本あたりのカフェイン量
西友 みなさまのお墨付きエナジードリンク 250ml 約170円 450mg 160mg
イオン トップバリュ エナジーハンター 300ml 約150円 660mg 195mg
ドン・キホーテ ブラックアウト 500ml 178円 600mg 165mg

ドン・キホーテのブラックアウトにはアルギニンとカフェインを皿に増量した「ザ・スーパー」という上位商品もあります。

また、マツモトキヨシにはEXSTRONGエナジーというシリーズ4商品があり、そのうちのLOVE&PEACEは250mlで税込み150円、アルギニン500mg、カフェイン162mgに加え、シトルリン500mg、亜鉛6.75mgを加えており、現時点での最強エナジードリンクといっていいでしょう。

 

また、かつてはアルギニン1000mgのリゲインエナジードリンク、2000mgのリゲインエナジードリンク2000という驚異の商品も存在していましたが、残念ながら現在は販売終了となっています。

 

エナジードリンクの危険性について

配合されている成分から考えれば、エナジードリンクは勃起系精力剤として期待できる内容といえることは間違いないでしょう。

しかし、実はエナジードリンクは誰にも安全な飲み物とはいえないようです。

効果効能を表示できる栄養ドリンクと違って、エナジードリンクは効き目を具体的に表すことができません。

 

そこで重要な役割を果たすのがカフェインです。

医薬品成分を使用しており、実際に疲労回復に効果のある栄養ドリンクと違い、エナジードリンクではカフェインの覚醒効果だけが実感できる作用といえるでしょう。

カフェインは栄養ドリンクにも含まれていますが、エナジードリンクと比べればその量は半分~半分以下です。

ただし、カフェインには覚醒作用や血管拡張作用のほかに強心作用もあり、過剰に摂取すると重い副作用が現れる恐れがあります。

2015年にはエナジードリンクとカフェイン錠を併用したことにより、20代の男性が亡くなった事例もあります。

世界保健機関(WHO)では、カフェイン摂取の上限はコーヒー3~4杯を目安としていますが、コーヒーとエナジードリンクを併用したり、エナジードリンクを2本以上飲んだりすれば、かんたんに上限を超えてしまいます。

 

また、カフェインに対する感受性は個人差が大きく、エナジードリンク1本でも動悸、不眠、不安症状などが現れる場合もあります。

 

まとめ


エナジードリンクは精力増強作用が期待できるアルギニンとカフェインが含まれていますが、性欲を高める作用は期待できません

性欲は男性ホルモンに支配されており、アルギニンやカフェインだけでは本当の意味での精力アップが望めないのは明らかです。

メンズサプリや増大系と呼ばれる精力増強サプリメントの多くは、アルギニンに加えて体内でアルギニンに変化するシトルリンが含まれており、この点だけでもエナジードリンクを大きくリードしています。

 

また、メンズサプリは副作用リスクの高いカフェインは使用せず、トンカットアリやアカガウクルアと呼ばれるハーブ類でPDEをブロックし、かつ男性ホルモンの分泌を促します。

精力の増強を期待するなら、エナジードリンクではなくメンズサプリを活用しましょう。

エナジードリンクの飲むのは、カフェインの力を借りて覚醒したいときや、ここ一番の気分を上げたいときなどがもっとも適しています。

 

当サイトでは、精力アップにおいてエナジードリンクをはるかにしのぐメンズサプリについては、具体的な商品名をあげて詳しく分析した記事もあります。

以下にリンクを貼っておきますので、ぜひご参考頂き、正しく安全に精力を増強してください。

 

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

 

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